今日は俳句を学びましょう!
扇から扇にとるや 初茄子
小林一茶
って、どういう意味なんでしょうか?
今でこそ茄子は年間通じてスーパーで見かけます。
ハウス栽培や、栽培技術、品種改良などもあって
年間、安定した価格で手に入る
たいして珍しくもない 野菜の一つです。
(そんなこと言うと茄子に失礼ですが・・・)
が、 しかぁーし、むかぁーしむかし、の江戸時代
初茄子は 殿さまに献上されるほど珍しく貴重なものでした。
記録によると、四月には、駿河から将軍家に献上されたそうです。
初物を食べると寿命がのびると珍重され
女房を質にいれても・・・と言われた初鰹同様に
初茄子も とっても高価なものだったそうです。
一富士 二鷹 三なすび
これ 聞いたことある人?
富士は「無事」 日本一「高い」
鷹は 強くて速い。そもそも名前が「たか」
なすは 物事を「成す」に通じ、
特に初茄子は値段が「高い」
で、高いものから初夢に見ると縁起が良いものベスト3!
というわけでしょうか。
ちなみに、続きがあって、四扇、五煙草、六座頭・・・
扇は富士山同様に「末広がり」
煙草は煙が上にあがるから「上昇」
座頭は坊主で毛が無い 「ケガ無い」
言葉遊びのようですが、
それぞれの理由があるのですね。
さて、それほど高価な初茄子ですが、
できるだけ早く初茄子を収穫するためには
茄子の苗を早く植えること。
2月、3月とも記録にあるようですが、
春先の遅霜に当たると枯れてしまうため、
早く植えて しかも 霜にまけないように
促成栽培のさまざまな工夫がなされたそうです。
煮ても、焼いても揚げても、漬けても、おいしい茄子は
秋茄子は嫁に食わすな ってことわざにもあるように
これからの季節 さらにおいしくなります。
ランチタイムの前菜や、シーフードの付け合せにも
つかわれている秋ナス。
茄子紺といわれる 美しい紫紺色には
ナスニンというポリフェノールの一種が含まれています。
揚げ茄子にすることで、美しい茄子の色をキープ。
あ、つい食べものの話になってしまいましたね。
つまり、この句ですが、
初茄子を扇でとる・・・という一茶は
もったいないくて、素手では持てない。
だから うやうやしく、扇に乗せて いただく。
もしくは、縁起の良い初茄子を
縁起のよい扇にのせることで
さらに縁起をかついだ句 ともいわれています。
はい。本日のお勉強はここまで!
みなさん、よく復習しておいてくださいね。
しらき