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街路樹が葉を落とし、街がクリスマスの飾りつけで華やぐ頃

本日のお題は、職場やグループでそろそろ話題のこんなお話。

 

そう、今年一年のお疲れ様!の忘年会

 

 

とある事務所で

外注帰りの新人君がため息付きながらコートを脱ぎました。

「どうしたの? うまくいかなかった?」

優しいアケミ先輩が声をかけてくれました。

「いやぁ、発注はいただいたんですけどね・・・」

「あら、よかったじゃない。」

「先方に「今年も、楽しみにしてるよ!」って言われまして・・・」


「あぁ、いつもの合同忘年会ね。」

「店選びで失敗したら、あちらのご機嫌そこねそうで・・・」

「そうね。もちろん私たちも期待してるわよ!」

「うちは女子が多いから、カクテルとかもあって、
ちょっとこじゃれた所探してたんですけど、
あちらは男所帯だから、部長なんかもう飲む気満々で・・・」

「うんうん。そうね。年に一度だもん。」

「聞いたら、部長は魚好きって言うし。
ビールも焼酎も日本酒もでしょ。
部長いち押しの居酒屋さん、きいてみたんですけどね。

うちの女子たちは、スカートで座敷は嫌って言うし。
でも、50人近くなると、座敷かなぁ・・・」

「あちらをたてれば、こちらが立たずってことね。」

「それに、あそこ大皿で出てくるじゃないですか? 

女の子達が取り分けてくれるの待ってても、
僕ら下っ端にはなかなか回ってこないんですよね。」

「それね! 
いつも、私たちが取り分けるんだけど、
誰から配るとか・・・これでも結構気を遣ってるつもりよ。」

「すみません。そういう意味じゃ・・・」

「何なに? なんかトラブった??」

話をききつけて、営業課長がやってきた。

「いやぁ。今年の合同忘年会の話なんですけどね。」
新人君が、ますます困った顔をしました。

 

「そうか。今年は君が担当だったね!
たまには肉のうまいとこがいいな!
一年のご褒美だからね。僕も楽しみにしてるよ。」

 

「え!?肉ですか?」
新人君 もう泣きそうです。

「はいはい。整理しまーす!」

アケミ先輩が明るい声で言いました。

 

「料理は魚もお肉もあるところ。
お酒もカクテルもフリードリンクで。
そして、大皿で出る宴会料理じゃなくて、
できればテーブル席で、
大人数も対応してくれる所!ね。」

「そうそう!そんな感じです。」

「あたし、知ってるところあるわよ。」

「さすが、アケミ先輩!」
新人君の顔がパッと明るくなりました。

 

「ここ どうかなぁ?」

と、スマホのホームページを開いて見せてくれました。

忘新年会イメージ

「都・・・あけぼの・・・え?あの都ですか?」

「あけぼの店ね。前ランチで行ったけど、
お料理はとっても良かったわよ。
ほら、フリードリンクで忘新年会コース6500円
どう?」


課長がどれどれ…とスマホをのぞき込みます。


「いいねぇ。アケミちゃん、さすがランチ詳しいな(笑)

hA1711譏シ4500冬企画

前菜、スープ、フォアグラ中華バーガーに旬の魚料理。

で、牛ヒレステーキ、お茶漬け、
最後に季節のシャーベットかぁ。

で、フリードリンクなんだよね?

へぇ。よさそうじゃないか。

僕は前、接待で呼んでもらったことある。お肉うまかったよ。

うーん。うちの予算だと、一万円で、
アワビとステーキコースでもいけるんじゃないの?」

「あら、せっかくなら魚料理とヒレステーキ100グラム

この8500円の送迎付きパックにして、
残りは二次会にまわしましょうよ!」

「お、アケミちゃん。それもいいねっ!!

営業課長とアケミ先輩、すっかり盛り上がっています。

 

 

「そこ決めていいですか!
そこなら誰も文句ないですよね!!」

 

新人君が奪うように、スマホを握りしめて電話に走りました。

「あ、それ、私のケータイ!!」

「あ、す すみませんっ!!」

「よかったら、新年会も春の歓送迎会も担当よろしく頼むよ!」

営業課長がめずらしく笑顔で
「グッジョブ!」のゼスチャーをしてみせました。

 

 

 

トウゥルルルル・・・♪

「あ、わたくし〇〇〇と申しますが、忘年会の予約を・・・」

受話器を持ったまま、
新人君が小さなガッツポーズで返しました。

 

 

 

 

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