前菜 ~秋の散歩道~
サンマのテリーヌは
紅葉や、秋の夕映えを連想させる赤色が印象的です。
「わぁ、おいしそぅっ!」 って
口に入れてしまえば
数秒でなくなってしまいます。
でもね、この形になるまでに
何工程もございまして・・・
今日は お客様の前に供されるまでの
テリーヌの工程を キッチンから
ご案内いたします。
まずは 下処理をし、
一尾ずつ丁寧に開いて
小骨を残さず 一本ずつ取ります。
( ↑ 小骨をとるお魚番長 亀山さん。
長身の体にキッチンのシンクは低すぎですねwww
和の匠、煮物は絶品です! ちなみに…独身です←ココ重要)
テリーヌ型に並べ マッシュポテトを詰め、
デュクセルソース(マッシュルームと玉ねぎのソース)
を重ねます
焼いたパプリカを重ねます。
テリーヌのパテをカットした時に、
鮮やかな赤色が映えます。
カットした面すべてに赤い色が出るよう、
少しずつ重ねながらきっちりと。
( ↑ いつも笑顔の横山主任の 手
作業中は真面目な顔してますwww )
再び マッシュポテトを重ねた上に
軽く火を通した山芋
山芋のシャキシャキ感を生かしたいので
火入れは あくまで 「軽く」 です。
きっちりと端から端まで 敷き詰めます。
もう一度マッシュポテトを重ねます。
これで、先ほどのパプリカが
カットした際の断面で
ちょうど中央あたりに見えるのです。
上にもサンマを重ねて、
テリーヌ全面をサンマで包み
形を整えます。
このあと スティームコンベクションで20分。
粗熱をとりながら 重石をして、成型。
カットされて、やっとお客様の前に提供です。
季節のお野菜や、ソースとともに
器にのせたら、こんな感じ。
お昼のランチ、
夜のディナーコースの前菜に使われています。
ちなみに。。。。。
テリーヌは料理名ではなく、テラコッタ製の土鍋 鉢、
ホーローのお鍋や、深いお皿などの調理道具の名前。
型につめたものをそのまま供するのが テリーヌ。
型から外したものはパテと呼ばれますが
いつのまにか、テリーヌ型で作られたお料理も
テリーヌとよばれるようになりました。
もともと、テリーヌは 中世ヨーロッパの保存技術のひとつとして
作られています。
正式なレシピでは具材と敷き詰める脂の比率が2:1程度で、
大量のゼラチン質と脂で、具材の変質を防ぎ、
一週間程度は食べられるそうです。
どの家庭にも 冷凍冷蔵庫が当たり前にある現代では
保存食という意味合いのテリーヌではなく、
切り口の美しさで 華やかにオードブルを飾る一品
として 作られています。
もちろん、保存目的ではありませんから、
毎日新鮮なサンマを使ってご用意いたしております。
しらき